確定申告はいつまでさかのぼれるのか?
確定申告についての質問でよくあるのが、
「確定申告って、いつまでさかのぼれる?」
「ふるさと納税や住宅ローン減税・医療費控除で節税できるはずだったのに確定申告してなかった!」
と言うケースです。状況によって異なりますので、解説します。
サラリーマンなら年末調整はあるけど
収入が一箇所からだけの、サラリーマン・パート・アルバイトであれば、税金は毎月源泉徴収されて、年末に年末調整を受けるので、納税額が多すぎたり、少なすぎたりすることは、通常ありません。
でも、これは日本だけの話で、アメリカでは毎年4月15日までにIRS(アメリカ連邦国税局)にtax form(確定申告書のようなもの)と、税金(マネーオーダーか小切手)を全員が送らないといけません。いちおう源泉徴収のようなものもあるのですが、選択制で、しかも年末調整と言うものがありません。特に2018年のように、途中で税制が変わったり減税があったりした場合は、あとで還付金が基本的にマネーオーダーで送られてきます。
確定申告が必要な場合
ただし、
暦年の途中で転職した場合は、転職先に、前の会社の源泉徴収票を提出すれば、引き継いでくれる場合もありますが、そうでない場合や退職してその後仕事が決まっていなかったり、起業した場合は、自分で確定申告をする必要があります。
確定申告をしたほうがいい場合(還付申告)
これは最初の質問者のように、
- ふるさと納税
- 住宅ローン減税
- 医療費控除
- 地震や水害などによる被害
- 株やFXの取引で損失が出たり、損益通算をしたい場合
のように、もともと年末調整の範囲外だったり、会社に出した扶養控除等(異動)申告書の内容に漏れがあったり、提出時から変更があった場合は、確定申告をして、払いすぎた税金を取り戻すことができる場合があります。
これを還付申告といいます。
還付申告の期限は5年
実は、この還付申告は5年までさかのぼることができます。
また、「確定申告の期間は~」という質問もありますが、規定上、還付申告は、いわゆる確定申告と関係なく、該当年度が終わったあとなら、いつでも申告できます。
例:2017年1月1日~12月31日の期間の税額(所得や控除額)についての還付申告は2018年1月1日から申告可能です(実際には3が日は税務署がお休みなので受理してもらえませんが・・)。
また、3月15日を過ぎた後でも、まる5年間、2022年12月31日までなら申告可能なのです。
扶養家族の中で大きな病気や手術をした方や、天災などの被害にあわれた方などは見直してみることをおすすめします。盗難などの被害に対する雑損控除というものもあります。
国税庁のホームページでも過去5年分の確定申告書用紙をダウンロードできるようになっています。
さかのぼれる期間が5年になる条件は、「まだ確定申告してない」こと+アルファ
しかし、これにも条件があります。
それは、、
まだ一度も確定申告していないこと。
一度確定申告してしまい、その後、変更したいという場合は、「更正の請求」という手続きになり、それはそれで規定が定められているからです。
更正の請求の場合は、1年か5年さかのぼれる
実は本来の申告手続きの期限が平成23年12月2日より前のもの、例えば平成22年分の確定申告書についての更正の請求は、1年しかさかのぼることができません。
しかし、本来の申告手続きの期限(「法定申告期限」といいます)平成23年12月2日以降になる平成23年分以降の確定申告書についての更正の請求は5年間さかのぼれるようになっています。
平成29年3月15日までは、平成23年分の更正の請求が可能、平成30年3月15日までは、平成24年分の更正の請求が可能という意味です。
(注) 更正の請求期間を過ぎた課税期間について 平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する国税については、更正の請求ができる期間は延長されていませんが、運用上の措置として、更正の請求の期限を過ぎた課税期間であっても、増額更正ができる期間内に「更正の申出書(更正の申出関係参照)」の提出があれば、調査によりその内容の検討をして、その課税期間につき納めすぎの税金があると認められた場合などには、減額の更正を行うことになります。
更正の請求期間の延長等について|お知らせ|国税庁 - 国税庁ホームページ
確定申告書作成コーナーにも「更正の請求書・修正申告書」用の場所がある
見落とされがちですが、国税庁の確定申告書作成コーナーにも、下のほうに「更正の請求書・修正申告書」用の場所があります。(画像参照)