退職所得のあと、年金収入だけになったら確定申告したほうがいいかも
退職金の税金
団塊の世代の方など、60歳や65歳を過ぎて、会社を退職されるときには退職金をいただきますよね。
退職金は勤務先にちゃんと手続き(「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払者に提出)をしておくと、税金を源泉徴収された額が手元に入り、源泉徴収票も発行されます。そのため、サラリーマンの方はここまで基本的には確定申告が扶養で済ませられるようになっています。
さらに、この退職金に対しては、
- 退職所得控除がある
- 他の所得と分離して課税される
というふうにして、税負担が軽くなるようになっています。
退職金2500万円受け取っても所得税+復興特別所得税額の合計が58万円程度で済むというのは、かなり優遇されていますよね。
公的年金の税金
しかし、退職後、年金収入をもらうようになるとどうでしょうか。
国民年金や厚生年金など公的年金からは所得税・復興特別所得税が源泉徴収され、社会保険料も引かれています。
「扶養親族等申告書」を提出していれば、
- 基礎控除相当の公的年金等控除のほか、
- 配偶者控除(老人控除対象配偶者相当)
- 扶養控除
- 障害者控除
などの各種控除が受けられ、所得税率も10%->5%になります。
参考:https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2018/fuyoushinkoku.files/04.pdf
サラリーマン時代に毎年「給与所得者の配偶者控除等申告書」を出していたのよりさらにお得です。
しかし、年金を受け取るような年齢になると、
- 生命保険
- 医療保険
- 火災保険・地震保険
- かんぽ生命など個人年金保険
のように、税金の控除対象になる保険もたいていの人(世帯主)が支払っていますよね?
さらに、持病を患ったり、大病をした方の中には、医療費控除の対象になる方もいるかもしれません。
逆に、個人年金などをもらっている場合は、源泉徴収されていない場合が多いと思いますので、支払い調書に従い、所得として申告する必要があります。
実際の事例 14万円以上も還付金があった!
管理人も、自分はさておき、
父母(両親)は、ちゃんと確定申告してるんだろうか?
父親は株式投資もやっていたはずだし。。(電話で(笑))
と気になって、先日帰省したときに、80歳の父親と一緒にe-taxで試しに入力してみたんです。
(税理士以外は税務の代行はできないので、一緒に教えながら辛抱強くやるしかありません。)
- 年金の源泉徴収票
- かんぽの控除証明書
- 火災保険の控除証明書
- 医療費の支払い明細
などなど。
その結果が、この画像です。
えー?14万円も還付金があるのかい?
そうだよー!去年も一昨年もというか、今まで確定申告したことなかったでしょ?
そりゃそうだ。サラリーマンが確定申告不要なんだから、年金暮らしも確定申告不要だろ?
ちっちっち。そんな簡単じゃないのよ~。
そうかー。今まで毎年、こんなに損してたのか?
うーん、5年の時効はあるし、無申告加算とかつくかもしれないけど、5年までなら遡って確定申告できるから、一応、念のため、白色申告ならずっと無料の確定申告ソフトで計算だけでもしてみたら?
これで還付金がドカンと入ってきたら、海外旅行にでも行けそうだな!?
ということになりました。