確定申告2019の期限目前。
クラウド確定申告ソフトの便利機能を使い倒して、最速で経費情報を入力して、最短で確定申告書を仕上げるための裏技ハック集です。
あせる気持ちは分かりますが、確定申告書作成(のための経費入力・仕訳)を最速で行うためには「段取り」が重要です。このページの順番でしっかりやっておくと、かなり効率よく、帳簿作成ができ、結果的に確定申告書が最速で完成します!
- 1.確定申告ソフトfreeeのベーシックプラン「1ヶ月払い」に登録する
- 確定申告書作成に必要な書類を集める
- 2.「現金で払った」レシートや領収書、請求書を同じ勘定科目のものや同じサイズのものに仕分ける
- 3.時間を計って10-20件くらいレシートのスマホ撮影→自動仕訳と、スプレーッドシートへの手入力でどちらが速いか比較して、速そうな方法を選ぶ
- 4.スマホでレシート撮影→自動仕訳
- 5.クラウド確定申告ソフトの銀行やクレジットカードの自動連携機能は使わない
- 6.freeeに「API出納帳」で一気に経費データを入力
- 5.freeeにエクセルで一気に経費データを入力
- 銀行の通帳や郵送で届いたクレジットカード明細・pdfファイルしかない場合でも、エクセルやcsvに変換する方法はある
- 6.現金の事業主貸し・事業主借りはある程度であきらめる
- あとは確定申告書提出に必要な情報の入力だけ
1.確定申告ソフトfreeeのベーシックプラン「1ヶ月払い」に登録する
弥生会計(やよい)やマネーフォワードも便利な機能はいくつもあるのですが、機能によって使うソフトがいくつかに分かれていたりしてややこしいです。
シンプルに経費入力→確定申告書作成なら、管理人がテストした限りでは、やっぱりfreeeが最速でした。
freeeは「クラウド会計」では草分けでも、「会計ソフト」としては後発なので、他社会計ソフトやエクセル・csvファイルなどからのインポート機能が充実しているのも、データをまとめて一括処理のためには重要ポイントです。
しかし、freeeは無料お試しだと確定申告書の出力ができません。そのため、一番安意プランではないのですがスタンダードプラン「1ヶ月払い」に登録します。
有料でもスタータープラン(月額980円(税別))では、「領収書・レシート撮影での入力・保存 月5枚まで」※という制約があるためです。
スタンダードプラン(月額1,980円(税別))は枚数制限がありませんから、枚数制限を気にせずまとめて領収書の撮影やスキャンができます。チャットやメールのサポートが優先対応なのも、1分1秒を争う確定申告期限ギリギリの時には本当にありがたいです。(しかも「freeeのサポート内容は素晴らしい!」と口コミでも評判です)
※ 実はこれも裏技があります。
取引登録が終わったレシート画像は削除しても取引情報は残ります。添付画像がないだけの状態になるだけ(確定申告では問題ない)なので、5件レシート撮影→取引入力が終わったら、画像を削除すると、再び5件の枠が復活します!
「レシート5枚1グループで作業できれば十分」と言う方にはこの方法でもいいでしょう
スタータープランには消費税申告の機能が無いため、消費税の課税事業者である場合は、必然的にスタンダードプランを選ぶしかありません。その場合は、下記勘定科目一覧にも課税項目と非課税項目を追加して下さい。
確定申告書作成に必要な書類を集める
経費の入力に必要な、領収書やレシートなどのほか、
収入や控除に関する支出を証明する、
- 給与所得の源泉徴収票
- 医療費の領収書
- セルフメディケーション税制の医薬品購入の領収書
- 寄附金控除の証明書(ふるさと納税)
- 社会保険料控除の証明書
- 生命保険料控除の証明書
- 地震保険料控除の証明書
- 小規模企業共済等掛金控除の証明書
- 住宅借入金等特別控除に係る借入金年末残高証明書
- 公的年金等の源泉徴収票
などの必要書類を用意しておきます。
株式や証券・FXの取引利益(雑所得)を申告する場合は、
- 年間取引報告書
が証券会社から届いていたり、ダウンロードできるはずなので、確認してください。
- マイナンバーカードか通知カードの写し
もこのときに用意しておきましょう
2.「現金で払った」レシートや領収書、請求書を同じ勘定科目のものや同じサイズのものに仕分ける
経費を使ったときにレシートや領収書、請求などがある場合、エクセルだと日付を入れ替える=行の入れ替えになって面倒でしたが、クラウド会計ソフトなら並び順は気にしなくて良いです。
そのため、勘定科目一覧を用意しましたので、これにしたがって
- 旅費交通費
- 水道光熱費
- 仕入高
- 消耗品費
- 新聞図書費
- 広告宣伝費
- 会議費
- 設備費
- 接待交際費
- 事務用品費
- 支払手数料(利用料)
- 賃借料
- リース料
- 外注費
- 研修費
- 通信費
- 給料賃金
- 租税公課
- 福利厚生費
- 諸会費(カードの年会費など)
- 事業主貸(個人事業主のプライベートな利用)
- 地代家賃
- 修繕費
- 雑収入
- 雑費
などの「勘定科目ごとに」「現金で払った」領収書をザックリ分けておきます。
勘定科目の選択自体には厳しい法律は無いの任意でよいのですが、継続性や統一性は求められます。
会計ソフトにデータを入力しながら、
「これはどの科目にしようかなー?」
「さっき、同じようなのがあったけど、どこに仕訳したっけ?」
というふうにあやふやになってしまった場合、前のデータを見返したりしなければいけなくなり、大幅な時間のロスになりますので、後で悩まないように、この時点でしっかり振り分けておきましょう。
上記の勘定科目一覧を紙に印刷して、「これはこの勘定科目」というルールをメモしておくとスムーズです。
また、請求書などでA4サイズやハガキサイズのものは、同じサイズごとにひとまとめにしておくと、あとでスキャンしたりスマホで撮影するときに連続で作業しやすくなります。
クレジットカード払いのものはカード明細に取引登録の最低限必要な情報は入っていますので(メモ等の追記は必要かもしれませんが)、ここでは思い切ってよけておき、現金での支払いのレシートだけを分類します。
3.時間を計って10-20件くらいレシートのスマホ撮影→自動仕訳と、スプレーッドシートへの手入力でどちらが速いか比較して、速そうな方法を選ぶ
レシートのスマホ撮影→自動仕訳はfreeeの一押し機能で、実際大手チェーン店での買い物や飲食代などは、「何で分かるの?」と、こちらがどきどきしてしまうくらい正確に仕分けてくれます。
ただし、一枚のレシートで複数の勘定科目にまたがったような買い物をした場合や、デザインや印字が込み入った明細書などはうまく処理できませんでした。
このあたりは、あなたの実際の取引先・仕入れ・買い物状況の比率などに依存してきますので、あなたの手元にある領収書でいくつか試してみていただいて、感覚をつかむしかありません。
freeeでは一度撮影したレシートから読み取った情報でも、簡単に修正できますし、2件の取引に分ける場合も、すぐに手動で追加の取引登録できます。
そういったことも勘案して、上記で仕訳した領収書を
- スマホでレシート撮影→自動仕訳が速そうなグループの領収書グループ
- エクセルテンプレートや「API出納帳」にまとめて手動入力してfreeeにインポートしたほうが速そうな領収書グループ
に分けます。正直、電気代やインターネット、携帯電話の明細などはA4表裏あっても、実際に必要なのは「日付と合計金額だけ」だったりするので、そういったものは意外とエクセルにまとめて手入力したほうが速いです。1-12月に順番に並べておきましょう。
4.スマホでレシート撮影→自動仕訳
最速で入力するなら、
- 最初に1か月分のレシート・領収書をまとめて撮影してしまい、freee自動仕訳させる
- 1件目から順番に読み取り内容と自動仕訳の項目をチェックして登録していく
- すると、AI学習機能で仕訳精度が上がった状態になるので、
- 残りの11か月分のレシート・領収書をまとめて撮影してしまい、freee自動仕訳させる
- まとめて1件目から順番に読み取り内容と自動仕訳の項目をチェックして登録していく
といった方法が早いと思います。
- 一つの作業をなるべくまとめて行う
- 同時にfreeeのAI学習機能が学習する時間を作ってあげる
というのが、ほかにはないクラウド確定申告ソフト使いこなしの最重要ポイントです。
100円ショップで売っているもので十分なので、スマホ用の三脚とヘッドホン端子に差し込んでリモート撮影できるボタン(レリーズ)を購入しておくと、ストレス無く手振れも無くスマホでレシート撮影できます。
暗すぎるとあまりきれいに写らないのですが、ライトを直接当てると光で真っ白になって「飛んで」しまうことがあります。薄い布などでライトをカバーしたり、間接照明っぽい方法で明るめに撮影した画像データだとfreeeでも読み込みやすいようです。
5.クラウド確定申告ソフトの銀行やクレジットカードの自動連携機能は使わない
あくまで、今、3月の確定申告期限直前と言う前提ですが、クラウド会計ソフトの銀行やクレジットカードの自動連携機能は確定申告書作成には使いません。
銀行やクレジットカードの連携機能は、通年で普段の経理やお金の流れをリアルタイムで管理するのには手放せないくらい重宝する機能ですが、確定申告に限って言えば、昨年の1年分(4-15ヶ月前)のデータをさかのぼって丸ごと取り込みできる連携先は、管理人が試した限りでは一つもありませんでした。(管理人は銀行・郵便局・クレジットカード・電子マネー・交通系ICカードなど、合計20以上で、普通よりたくさん持っているほうだと思うのですが)
11月と12月だけ自動連携で取り込めたけど、それ以前のデータはCSVでインポートしなきゃいけないなぁ
となると、かえって面倒です。
とにかく最速でデータ入力を終わらせるためには、一つの方法でまとめて大量に作業できることが重要です。1年分をまとめて入力できない方法は考慮からはずします。
6.freeeに「API出納帳」で一気に経費データを入力
freeeでは、「freee API出納帳 」というGoogleスプレッドシートのファイルを配布しています。
今freeeに登録すると、メールアドレス認証の後で、「【クーポンのご送付(3/15期限)】24時間で確定申告を済ませるコツをご紹介します」というメールも届くと思いますので、そちらに「freee API出納帳 」へのリンクがあります。
- freeeから事業所情報や勘定科目・口座設定情報を読み込んだ後で、
- 「取引をここに入力」タブで」収支、発生日、勘定科目、金額とメモタグ(取引先名など、複数入力可能)
- シート内の「取引の送信」ボタンを押すと、、
- 会計freeeの画面に反映されている
と言う仕組み。
もともとfreee取引インポート形式のファイルですが、すでにエクセルやCSVのデータなど帳簿データ・売り上げ台帳などがあって、まとめてざっくり入力したいときには超強力な機能です。
5.freeeにエクセルで一気に経費データを入力
また、freeeeでは、エクセルのテンプレートも配布しています。
(freeeの「取引」メニューの「エクセルインポート」の画面の中にダウンロードリンクがあります。)
銀行口座の取引履歴、クレジットカードの明細やほかの会計ソフトなどの空のデータはここでまとめてインポートできます。
- 項目の並びが違ったりする場合は、エクセルテンプレートの項目名を参考に一度コピペしてから、
- 日付・金額・利用内容・摘要がずれたりしていないか目視でざっくりチェック
- freeeの「取引」メニューの「エクセルインポート」で
- ファイルに入っている取引項目の種類を選んで(収入取引データ・支出取引データ・振替伝票データ)
- ドラッグアンドドロップなどでアップロードする
- インポートが終わったら(自動仕分けもするので件数によってはそこそこ時間がかかります)、「インポート履歴」を確認
- 「取引」→「取引の一覧・登録」で一件ずつ自動仕訳の結果などを確認して、「登録」します
「一件ずつ自動仕訳の結果などを確認」となっていますが、何件か修正していくと、AI学習機能が働き、その後のデータの仕訳データがどんどん向上していき、12か月分の入力・仕訳終わる頃にはほとんど手動の修正が不要になり、ほぼ「登録」ボタンをポンポンとクリックしていくだけの感覚になります。
確定申告(青色申告)では決算書・貸借対照表・損益計算書などが確定申告書の提出に当たって必要書類になりますが、帳簿自体は保管義務はあるものの提出しません。そのため、メモタグ(利用内容や摘要、備考)で誤字脱字などが多少あっても、あまり気にしないようにしましょう。もうしどうしても気になったら、確定申告書提出後に気が済むまで完璧に修正してください。
銀行の通帳や郵送で届いたクレジットカード明細・pdfファイルしかない場合でも、エクセルやcsvに変換する方法はある
ネットバンキングに登録していれば、過去数か月分の入出金履歴はcsvかpdfなどでダウンロードできます。
クレジットカードも会員サイトで過去数か月分の利用明細をcsvかpdfでダウンロードできます。
このうち、csvデータはそのままエクセルで開いてテンプレートにコピペできますが、問題はダウンロード期限を過ぎて
- 紙の通帳
- 郵送で届いたクレジットカード明細
- pdfファイル
しかない場合です。
こんなときでもネットを駆使すればどうにかエクセルかcsv形式に変換する方法があります。
一般にOCRと呼ばれる機能です。
参考:縦書きも認識、日本語テキストの抽出に適したウェブサービス3選https://japan.cnet.com/article/35088018/
まず、
- 紙の通帳
- 郵送で届いたクレジットカード明細
は、スキャナーかスマホで撮影して画像データにしてください。(pdfがベターですがJPG, BMPなどでもOK) 最近はコンビニのコピー機でもスキャナー代わりに使えるサービスがありますよね。
次にGoogleドライブにpdfデータをアップロードして、
「アプリで開く」でGoogleドキュメントを指定してファイルを開くと、、
自動的にpdfファイルの中の画像データを文字データとして認識しようとしてくれます。
「形式を指定してダウンロード」でエクセル形式でダウンロードします
Online OCRという無料OCRサービスもあります。pdf以外の画像ファイルJPG, BMPなどからでも文字データに変換できます。サイトが英語で表示されるかもしれませんが、右下に日本語表示に切り替えるボタンがあります。
このような方法でエクセルデータに変換できてしまえば、大量の銀行やクレジットカード明細もまとめてfreeeにインポートできますよね!文字化けの可能性はありますし、銀行の通帳の種類やクレジットカードの明細のデザインなどによっては、さらに手動で微調整の必要があるかもしれませんが、「全部を手入力」よりは速くて疲労度も少ないはずです。
6.現金の事業主貸し・事業主借りはある程度であきらめる
銀行の通帳を見れば1月1日時点の期首残高(資産)は決まります。この期首残高と全ての入出金や振込みなどの明細が一年分、全件あっていないと、期末の残高が通帳と合わなくなってしまいます。
そのため、クレジットカードや銀行の取引履歴で、個人事業主の個人のお金とのやり取りになる「事業主借り」や「事業主貸し」のような項目も、正確に仕訳する必要があります。(摘要はわかれば十分です)
しかし、現金の期首残高(事業用の財布の中の現金)を正確に把握している人は、正直そんなに多くない、そんなにしっかり財布を分けれていないと思います(本来、必要なのですが)。
また事業主の個人のお金(現金)で購入したプライベートの買い物や飲食費などはそもそも経費にはなりません(事業主貸)から、こういったものはわざわざ帳簿に記入する必要はありません。
こんなとことに書くようなものではありませんが、帳簿の現金の期首と期末を完全にそろえるのは現実的でないことも多いので、そのあたりはサバを読んで調整する必要があります。むしろ、「今年以降、どうやったら事業のお金と個人のお金を分けて管理できるようにするか」の方策を、真剣に検討するほうが重要で意味のあることだと思います
ただし、青色申告の特徴として、家内の水道光熱費や車両費・通信費(携帯電話やインターネット)などを事業での使用割合に応じて家事按分する(経費に入れる)ことが可能ですので、その準備はしておきます。(こちらはエクセルや家計簿レベルで集計すれば十分です)
これらの公共料金は、フォーマットが変わらないので入力は簡単ですが、支払いベースで入力するか、発生ベース(●月分)で入力するかで悩みますが、これも方針だけはしっかり決めておきましよう。
ここまでおわると、帳簿の作成は完了。そして、クラウド確定申告ソフトのすごいところは、この「帳簿入力完了=ほぼ確定申告書が出来上がっている」というところ。
あとは確定申告書提出に必要な情報の入力だけ
- 住所
- 管轄の税務署
- 自分の名前
- 生年月日
- 世帯主との関係
- 電話番号
- 寡婦/障害者/既婚/勤労学生
- 事業の種類
- 青色申告か白色申告か
- 提出方法(税務署・郵送・freee電子申告・e-tax電子申告)
- あれば開業日や屋号を入力
といった確定申告書の上のほうに書く基本情報や
- 給与所得・年金所得・報酬の源泉徴収票
のような事業以外の一般的な収入と
- 医療費控除
- 雑損控除
- 寄附金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 扶養家族
- 社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除
などの控除に関する情報を入力していきます。
後は印刷して、マイナンバーを記入して、確定申告書と封筒に入れて、郵送で提出して23:59までに消印をもらうために郵便局にダッシュです!
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