新型コロナウイルス拡大の影響を受けて休業要請や外出自粛などで日本経済も非常に難しい状況になっています。国民の生活を守るため、収入が減った方に限らず日本に住む全員に一律10万円の現金給付が巷で一般の方には話題になっていますが、中小企業や個人事業主、フリーランスの方にはそれだけではビジネスが立ち行かなくなってしまいますよね。
このページでは売上が減少した中小企業やフリーランス個人事業主の事業継続を支援する「持続化給付金」の内容や申請方法、申請期限、必要書類などをまとめました。そのほか、雇用調整助成金や都道府県・自治体による助成金情報もまとめています。
コロナウィルスの影響で売り上げが減少した中小企業や個人事業主は多い
あなたも新型コロナウィルスの影響で休業要請を受けていなくても実質的に休業状態に陥るぐらい売上が減少している中小企業や個人事業主かもしれませんね。
安倍政権による経済支援では法人だけでなくフリーランスや個人事業主も幅広く対象に
2020年4月末に成立したコロナウイルスでの経済的な影響を支援する安倍政権による補正予算の中では中小企業や個人事業主にもたくさんの助成金や補助金給付金などを盛り込んでいます。
法人化・法人設立が簡単ではない日本の事情
日本では法人化するのに手間隙や費用もかかりますし、節税につながるかどうかは事業モデルなどにもよってきます。融資を受けるのにも有利な場合もありますが、法人化・法人設立3年以内だと逆に難しいこともあります。少なくとも継続的に法人税はかかってきますので、日本では「どんなビジネスでも法人化した方が良い」とは言えない状態です。
青色申告で済ましている個人商店や農家も多い
農家の方や商店などでは法人化していない場合個人事業主として青色申告をしていたというお店などもあります少なくありませんから、今回、法人だけでなくフリーランスの方や個人事業主も若干額は減るものの同じような支援制度を用意した、のは賢いことだと思います。
個人事業主でも100万円までもらえる持続化給付金
特に大きいのは法人だと200万円個人事業主だと100万円までの持続化給付金です。新型コロナウイルスの影響で売上が前年同期比で50%以上減少している法人や個人事業主に対し、その売り上げの減少ぶんを現金給付してくれるもので、所管省庁としては経済産業省が執り行っています。
資金調達のための無利子無担保の融資制度もあるけど
経済産業省ではこのほか事業継続や資金調達のための無利子無担保の融資制度なども幅広く用意しましたが、融資はあくまでお金を借りるだけなので返さなければいけません。
景気が元に戻ったとしても いくらV字回復しても、「元の売上に戻るだけ」ですから借金の負担が増えるのは困りますよね。その点、この持続化給付金は、お金をもらえて返す必要はありませんから、非常に助かりますし、家賃など固定費をカバーするなどして、「事業として残しておける」ことで、このコロナウイルスの自粛から戻った時に、スムーズに事業回復・再開することができ、一般にもサービスを提供できるようになるわけですから、非常に賢い、意味ある制度です。
持続化給付金の申請受付を開始 給付には2週間程度
5月1日から経済産業省のホームページ(https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-kyufukin.html)などで、この持続化給付金の申請受付を開始しています。
連休明けにも第1弾の給付が始まったようですが、通常ですと「申請から給付まで2週間程度かかる」と見られています。それでも個人向けの10万円向けの給付金に比べると、かなりスムーズでスピーディーに進んでおり、この持続化給付金の重要性がよく分かると思います。
オンライン申請が難しい方のための申請サポート会場を設置予定
オンライン申請が難しい方のために、5月16日までは各都道府県に「申請サポート会場」を設置するとのことですが、残念ながらまだ詳細は発表されておらず、東京都で3箇所、熊本県で1ヶ所だけです。
持続化給付金をもらえる対象や条件は?
- 売り上げが2019年の同月比で50%以上減少している月があれば申請が可能になります。
- 2019年以前から事業による事業収入があり、今後も事業を継続するということが支給を受ける要件の一つになっています。(2020年に起業した人や今回諦めて廃業してしまうという方は残念ながら支給の対象外になってしまいます。)
受給できる金額は?
受給できる金額は、「去年の総売上マイナス前年同月比マイナス50%の月の売り上げ×12ヶ月」になります。 文字で説明すると少しややこしいのですが、実際に計算してみた方が簡単です。
ただし今回のコロナウイルスの影響は3月4月の年度末年度開始の特別なシーズンに絡まっていますよね。そのため売り上げが特定の時期に偏る業種などに関しては、計算方法に関して特例がありますのでそちらもチェックしてみてください。(白色申告の方は対象外)
持続化給付金の申請方法は?
なお申請方法については経済産業省のホームページ((https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-kyufukin.html))にて申請をします。
申請に必要な書類は?
持続化給付金の申請に必要な書類は大きく分類して4種類。
- 昨年の確定申告書の控え
- 対象になる月の売上台帳
- 通帳の写し
- 本人確認書類の写し
いかに詳しく解説します。
確定申告書の控えが必要
持続化給付金の申請に必要な書類については、原則として「昨年2019年の確定申告の書類の控え」が必要になります。白色申告でも青色申告でも提出する帳票は異なりますが、昨年の確定申告書の控えが必要です。先日、本来なら2020年3月15日までが締め切りだった令和元年のぶんの確定申告の書類となります。こちらもコロナウイルスの影響で締め切りは4月15日までに伸びた後も、「コロナウイルス感染拡大防止のための柔軟な対応」の一環として確定申告2020は受け付けられておりますので、もしまだ確定申告2020を済まされていない方は今からでも急いで確定申告をすることをおすすめします。
対象になる月の売上台帳
次に必要なのが2020年ぶんの対象になる月の売上台帳等が必要です。こちらは集計に使う帳簿で良く、正式な確定申告用の書類などでなくても結構です。エクセルのデータや手書きの帳簿でもOKです。
通帳の写し
また給付金の振込先になる通帳の写しとして銀行名や口座番号などがわかるものが必要です。
本人確認書類の写し
そして最後に本人確認書類の写しとして運転免許証の両面やマイナンバーカードなどのコピーが必要になります 。
持続化給付金申請要領
持続化給付金申請要領は中小法人等向けと個人事業主向けで別々に分かれていますが、おおまか内容はそれほど変わりません。
地方自治体からの助成金もある
この他、地方自治体からは特に、休業要請に答えた事業者に対して支援する基金などを設けている場合があります。それに関してもこちらのサイトで随時掲載していきますのでこのホームページをブックマークしておいてください。
東京都感染拡大防止協力金
例えば東京都では東京都感染拡大防止協力金といったものがあります。2020年5月6日までに休業した事業者に対して50万円を支給するなどといったものです。なるべく申請も簡単にして、なるべく早く現金が支給されるようにしてくれているようですが、まったくこういったものに振られたことに関しては、会計フリーや弥生会計などクラウド会計ソフトのユーザーサポート付きプランであれば様々なサポート支援を受けられるようなのでチェックしてみてください。
大阪府休業要請支援金(府・市町村共同支援金)
大阪府では府下の市町村と共同で休業要請支援金(府・市町村共同支援金)を用意しています。こちらはホームページ(http://www.pref.osaka.lg.jp/keieishien/kyugyoshienkin/index.html)から申込書をプリントアウトして郵送で提出します。大阪府庁者などでの対面での受付は一切ありません。質問などはコールセンターで受け付けています。
神奈川県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金
神奈川県でも新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金が用意されています。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/jf2/coronavirus-kyoryokukin/index.html
郵送または電子申請となっていますが、申請受付期間は令和2年6月1日(月曜日)までと鳴っていますので、早めに申請してください。
愛知県・市町村新型コロナウイルス感染症対策協力金
愛知県も県下の市町村とあわせて「愛知県・市町村新型コロナウイルス感染症対策協力金」を設定しています。
https://www.pref.aichi.jp/site/covid19-aichi/ribiyokyugyokyoryoku.html
金額や申請方法も自治体ごとに違いますので、各自治体のホームページを確認してください。
地方自治体から事業者への補助金制度も豊富
- 非対面ビジネスの構築(デリバリーなど)
- 感染防止対策(マスク、消毒液、ビニール手袋等の購入や、レジやカウンターに設置するビニールカーテンの購入)
- テレワークシステムの構築
など各自治体で融資保障以外にも、さまざまな補助金制度もありますので、有効活用してください。
雇用調整助成金は個人事業主でも申請可能
また中小法人でも個人事業主でも、正社員ということはなくてもアルバイトなど誰かを雇って「雇用」をしている場合はありますよね。仕事がなくなったのでクビにしてしまった場合もあるかもしれませんが、雇用関係を残している場合、休業手当などを支払っていることがあるかもしれません。そのような際には休業手当の一部を助成する雇用調整助成金も国から90%を支援していただけます。
この雇用調整助成金自体は、実は以前からある制度で、国がこの休業手当の一部を助成してくれる制度になります。
雇用主が自宅待機を命じた場合は休業手当の支払い義務がある
なお、雇用主が自宅待機を従業員に命じた場合には 労働基準法上、休業手当の支払い義務が発生します。直近3ヶ月の給与の平均額の60%以上手当として支払わなければならないと言う制度(労働基準法第26条)があります。
しかしこの26条、「使用者の責に帰すべき事由による休業」と規定されているんですよね。今回は特に、今回の休業が「使用者の責に帰すべき事由」と言えるかという点が難しいですよね。
そのため2020年6月30日までの休業に関しては期間限定で受給しやすいように申請のための書類・要件などが簡素化されています。
- 2019年の同じ月と比較して売上が5%以上減少していること と
- 休業手当を支払っていること
が支給条件になります。
支給額は支払った休業手当一日あたりの金額の90%になりますが、助成額の上限は8330円(1日当たり)となっています。
助成金の専門家:社会保険労務士
これらの助成金の申請に関しては税理士に相談される方もいるかもしれませんが、「事業に関する助成金」などに関しては、一般に社会保険労務士が専門家です。
知り合いに社会保険労務士がいなければ、地元の商工会議所などで紹介してくれますので問い合わせてみると良いかもしれません。
雇用契約に関する従業員だけが対象
またこの雇用調整助成金は「雇用契約」に関する従業員だけが対象になります。
同じように仕事をしてもらっていても業務委託契約などを結んでいる人に関しては対象外になりますのでしっかり確認しておきましょう。 こちらは担当の省庁としては厚生労働省になります